ビアン通信 ヴォイス・オブ・ヘドウィグ
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2009.05.20 Wed
今上映中の「ミルク」。
そのミルクの名前にちなんだハーヴェイ・ミルク・ハイスクールは、NYにあるLGBTQの子供たちのための学校。そこの生徒たちが出演するドキュメンタリー「ヴォイス・オブ・ヘドウィグ」を、DVDで見た。

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(2008/01/25)
ドキュメンタリー映画ジョン・キャメロン・ミッチェル

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最初、私は、「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」という映画と混同していたようで、あれ?こんな内容だっけ?と混乱した。

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(2002/09/06)
ジョン・キャメロン・ミッチェルスティーヴン・トラスク

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上の「ヘドウィグ・アンド・・・」は、ドラァグクィーンでドイツ出身のロックシンガーの話。
その主演・監督をつとめたジョン・キャメロン・ミッチェルや、音楽プロデューサー、多数のミュージシャンたちが、財政難にあったハーヴェイ・ミルク高を支援するため、ヘドウィグの曲をカバーしたトリビュート・アルバム(「Wig in a Box」 )を作ろう!と立ち上がった・・というのが、「ヴォイス・オブ・ヘドウィグ」の内容。
その1年に渡るアルバム制作の過程に、ハーヴェイミルク高の4人の生徒たちのドキュメンタリーが、交錯する。そのあたり、少しわかりにくかったが、百聞は・・・で、以下が予告編。



音楽だけでも楽しめるし、LGBTの若者のドキュメンタリーとしても楽しめる。(と言うか、ちょっと切ない)
音楽に関して言えば、ザ・ブリーダーズの「Wicked Little Town」(「邪悪なこの街」)が特に良かった。
ベン・クウェーラーもこの曲をカバーしていて、そちらも素敵だったけど、ビアン的にはザ・ブリーダーズの双子の姉妹、キム&ケリー・ディールの方に目が行った。

と言っても、最初見たときは、「あああ・・・・無理だ~・・・」と思った。
ずどんとした体型、太い腕、段々のある鼻、長けりゃいいってもんじゃないだろうという髪、スーパーに行くのかな?というようなTシャツとジーンズ。そのジーンズも、腿のところでパッツンパツンになっている。
ふたりはよく似ているが、特にボーカルのキムの方に、その特徴が顕著だった。しかも彼女は、レインボージャケットを着ていた。

kim3a.jpg
                左、ケリー、右がキム

kim1a.jpg
               輝くレインボージャケット

いくらレインボーを着ていても、お仲間でも、いやだ~・・・!!
と思ったのに。歌声を聴いたら、どきゅーーーん!!!!
ハスキーで哀感のある歌声が、曲にぴったりマッチしていた。切なくて、心臓を鷲掴みにされた。
何度もリピートして見ていたら、だんだんキムのことを「可愛い」と思うようになった。

「絶対ないわ」というタイプこそ、はまるととことんはまる・・・という経験をした人は、多いと思う。
まさにそんな感じ。
「絶対小柄で痩せた人が好み」と言ってたのに、超重量級のAちゃんと付き合い始めたBちゃん。
「絶対年上じゃなきゃいや!」と言ってたのに、8つ年下のCちゃんと付き合い始めたDちゃん。
みんな、数年経った今でもラブラブ。
キムとの蜜月がいつまで続くかはわからないが、今ではぞっこんな私。

キムは、若い頃の写真を見ると、ほっそりしていて綺麗で女らしい。バンドのメンバーと結婚もしていた。
離婚後は、だんだん逞しく男らしくなっていった。そして、ちょっと(だいぶ)太って、現在に至る。

以下に、「Wicked Little Town」(「邪悪なこの街」)のYouTubeを張った。
本当は、映画と重ねて見てほしい。切なさ倍増。



他には、オノヨーコが、ただもんじゃないわ・・・って誰でも知ってることだけど、あらためて凄いなあと思った。
若いときは、その良さがよくわからなかった。
声量ないし、音程外すし、下手じゃん。としか思わなかった。
70手前で(当時)このロックンローラーぶりと説得力は、凄い!と思った。

ハーヴェイ・ミルク・ハイスクールの生徒たちについて。
主に登場するのは、4人の子供たち。(レズビアン2人、ゲイ1人、トランスジェンダー1人)
4人とも、黒人、ラテン系、アジア系で、いわゆる白人ではない。4人だけではなく、この学校に通う殆んどの生徒が、そうだ。監督のキャサリン・リントン曰く、
「自分は白人で中流階級の生まれなので、まだ彼らよりチャンスがあった。」
「アメリカでは、セクシュアリティよりも、人種やクラスによって、扱いが変わる。」
つまり、ここに通う子供たちは、ゲイやレズビアンという以前に、社会的なアウトサイダーであり、持たざる者であり、そのうえ、親や周囲の無理解、前の学校でのいじめなどで、もうどこにも行き場がなくなり、たどり着いた・・というケースが殆んど。いわば、この学校は、最後の砦。
LGBTの学校なんて楽しそう!という、こちらののん気な思いなど吹き飛ばす、深刻な現実がある。

最初はアフタースクールだったが、ドキュメンタリー撮影の途中で、正式な公立高校として認可された。
その最初の入学式の日、賛成、反対、それぞれのプラカードが入り乱れている中を、生徒たちが登校していた。

milk.jpg

上は賛成派だけど、反対派は、「God hates fags !」のプラカードを掲げていた。(fagとは、ゲイの蔑称)
こうした学校を作らざるを得ないところに、アメリカの現実があるんだろうけど、あちこちに頭をぶつけて自分探しをしている若者たちの姿は、国も性別も時代も超え、共通だと思った。

時々、「私はレズビアンであることを1度も悩んだことがない」という人がいる。
彼女もそのひとりだけど、じゃあ若い頃からまわりに自分のセクシュアリティを普通に話したり、好きになった同性に躊躇なく告白したりしてたのか?というと、全くそうではない。それならば、悩んできた人とそう変わりないのではないかと思う。生きにくい現実を、どこまですんなり受け入れたか、あるいは反発したか、突き詰めて考えたか、考えなかったか・・という違いではないかと思う。

私は10代の頃、悩むというより、私は何者か?と、頭が腐りそうなほど考えていた。今なら「ま、いいか」で済ませることも、とことん突き詰めて考えていた。ビアンじゃなくてもそうだったと思うけど、ビアンだったので、セクシュアリティのことも加わり、さらに考えていた。考えてもろくに答えは出なかったけど、若い頃には、それが必要だったんだと思う。これに関しては、また別に書きたいと思う。

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すーみん
The Breeders昔よく聞いてました。
10年以上前ね(笑)
キムも今はこんなになっちゃったんだ・・しかもgayだったなんて全然知らなかった。
キムの声は私も好き。
2009.05.20 Wed 18:08 URL [ Edit ]
koo
おお、すーみんもファンだったんだ!
以前のキムだと、ビアンとは、ちょっとわからないよね。
今はすっかり貫禄がついたけど。
でもあの歌声が、いいよね~~。
力強さと繊細さと優しさと、あわせ持ってる感じがいいね。
2009.05.20 Wed 23:12 URL [ Edit ]
noriko
このようなドキュメンタリーを見ると文化の違いって大きいですね。でもそれだけで片付けてはいけないような気もします。LGBTIQの当事者であるということはこの社会の暗黙の習慣に抗しているのだからそれなりに痛い事もある。動いているからこそ衝突の痛さを知っていて、痛いからもっと痛みのない社会を求めて動くのだと思っています。日本でなにも問題はないかのように生き、そしてLGBTIQ人権への興味を持たずに事なかれ主義で生きている当事者たちを見ると腹が立つ事もありますが、でもそれは個人的なことではなくて、日本社会のありかたと繋がっているな~と最近妙に政治的に見ています。
(あ~なんか硬いコメントになりましたね。)チャンスを見つけてDVD見てみます。
2009.05.21 Thu 01:17 URL [ Edit ]
koo
>norikoさん
若い人には、あちこち頭をぶつけて、痛みを覚えて、
それを乗り越え、いってほしいですね。
若くて体力、気力共に充実しているときこそ、いろいろな
体験をしてほしいですね。
自分のことで精一杯、社会的なことには関心ない、という人も多いけど、
せっかくマイノリティに生まれて、もったいないなあ・・と思います。
ノンケの人には出来ない貴重な経験があるはずだし!
DVDは、ぜひ機会があったら、見てみてください!
2009.05.24 Sun 15:05 URL [ Edit ]
もも
私も あんまり悩んだことない一人かな~。

とはいえ、一度死のうと試みたことはあるけど(笑)

あとは友達は全部知ってるし。あえて隠そうと、もがいたことはないし。

決して事なかれ主義なタイプではないけど、
だからと言ってわざわざ衝突しようとも思わないかな。

私は自分たちの もしかして 表面に出て闘ってる人たちから見たら卑怯者にしか見えないかもしれないけど、

自分としては私と伴侶含む、周りの長く付き合っている
カップルさんたちが世間と折り合いをつけながら
日々これ戦いの中で暮らしていっていることこそが
真の闘いだと自負してます(*^^*)

2009.05.25 Mon 21:36 URL [ Edit ]
koo
>ももちゃん
おひさし~~。
ももちゃんは、ほんとに先駆者だと思いますよ!
卑怯者どころか、凄いなあって。
すごく自然に、まわりの人たちに、「ああ、こういうのもありなんだな」
と思わせる雰囲気を、おふたりは持っているから。
もしかしたら、ももちゃん以上に相方さんは大変だったかもしれないけど、
全然そんなことを感じさせない、おおらかな雰囲気があるし。
そして、あの可愛い「羊さん」の外見からは想像出来ない強さが、
ももちゃんの中にあるのでは・・と思ってます。
羊さんの写真、渡したいなあ。今度会ったら、渡しますね!
2009.05.27 Wed 02:06 URL [ Edit ]
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hΛlの女好き日記 2009.05.23 Sat 00:34
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