ビアン通信 「L」ブーム (1)
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2008.02.03 Sun
昨日、久々に2丁目に行った。と言っても、わけあって、昼間に立ち寄ったので、人などいない。・・・と思ったが、ゲイの人がぽつんぽつんと立っていた。

そして昨日、たまたま「Lの世界」のCMを見た。CMで見られるなんて、ウソみたいだなあと思った。これは間違いなく、Lブームになるだろう。
今とはだいぶ雰囲気が違うけど、15年前にもlesbianがブームになった。「『レズビアン』である、ということ」の作者、掛札悠子さんが、テレビや雑誌に顔出しし、精力的に語り、彼女が立ち上げたミニコミ誌「ラブリス」を宣伝し、そのおかげか、TVや雑誌で何度も2丁目特集をやっていた。

今までずっと海外の映画やドラマなど取り上げてきたけど、たまには日本のレズビアン文化・・というより歴史かな、私の知る限り、書いてみたいと思う。以前私が作っていたHPを見ていた人は、重なる部分があるかもしれないが、もっと詳しく書いてみたい。

(1)25年前
このブログの右上、「プロフィール」のところに、”二丁目デビューは20ン年前”と書いている。正確に書くと、25年前。まだ2丁目に、ゲイバーはあっても、ビアンバーなど1軒もない時代。
私は大学生だった。もうその頃には、自分がlesbianであることをはっきり自覚していた。
でも当時の日本では、レズビアンと言えば「男役」-「女役」の世界。どの本にも雑誌にも、「レズビアンは男役(タチ)と女役(ネコ)に分かれ・・・」と書かれてあった。そのどちらにも属せそうにない私は、何か新種のレズビアンかなあ?と、真剣に悩んでいた。
好きな人には、触れたいし、触れられたい。見た目はややボーイッシュでも、自分が男みたいと思ったことも、相手に男らしさを求めたこともなかった。
高校生の頃から、「自分は何者なのか?」「セクシュアリティは?」とひとりで悩んで悩んで、やっと「lesbian」にたどり着いたのに、立ちふさがるタチネコの壁。もちろんそれだけじゃなく、将来のこと、恋愛のこと、もうひとりで悩むのは限界だと感じて、とにかく自分以外のlesbianに会ってみよう!と思った。

そうしてたどり着いたのが、「薔薇族」。当時、ホモ(ゲイとも言わなかった)と言えば「薔薇族」、「薔薇族」と言えばホモ、というほど、世間一般に認知された雑誌だった。ゲイの人向けの雑誌だけど、ここにならlesbian情報があるかもしれない、と思った。
しかし買うのも一苦労。都内あちこちの本屋をまわり、一番優しそうな老夫婦がやっている店で買うことに決め、それでも何時間も逡巡し、やっとの思いで買った。
「あった!」-1ページの片隅の「百合コーナー」。そこに、「レズビアンの人に向けて、○月○日、店を開放します」とあった。薔薇族編集長の伊藤文學先生が、経営しているゲイバーを1晩だけ、レズビアンの集まりのために開放してくれるということだった。

緊張で倒れそうになりながら、押した扉の向こうから、文學先生が「いらっしゃい!」と優しく声をかけてくれた。そして、
「君、ひとりで来たの?」
「はい。」
「えーー、すごいね!ここにひとりで来たの、君がはじめてだよ!」
と言われた。
私の緊張をほぐすつもりもあったのか、
「すごいねー」「えらいねー」「勇気あるね」と何度も言われた。
だって一緒に来る人なんて、いないし。
とそのときは思ったが、今ならよくわかる。そこ(lesbianの集まり)は、プロの世界だった。
ごく普通の学生やOLが、ひょっこりひとりで行くようなところでは、決してなかった。
文學先生はとても優しく、今でも大尊敬しているが、そこで出会ったlesbianの世界は、私には遠い世界だった。男役ー女役の世界だったから、というだけではない。そのときの私は、両親(とても仲が良かった)の娘であり、学生であり、友達がいて、泣いたり笑ったり。そして、レズビアン。でもそこで出会った人たちは、うまく言えないけど、生活全てがレズビアン、というように感じた。話せば話すほど、私の中で違和感が広がっていった。

数年前、2丁目に行った時、お店の若い人にそのときの話をしていたら、
「あー、やっぱりそうですか!kooさんのように昔を知っている方は、皆さん同じことを言われますね。『昔はプロの世界だったのよ』って。」
と言われた。
きっと私と同じように、死にそうな思いを抱えてようやく2丁目にたどり着き、失望して去って行った人たちが、沢山いたんじゃないかと思う。

話を戻すと、文學先生には、いろいろ聞かれた。
「君、何をしている人?」
「大学生です。」
「え!大学生で来たレズビアンも、君がはじめてだよ!」
そして、
「この前、はじめてうちの店に、東大生(ゲイの人)が来てくれたんだ!」
と、とても嬉しそうに、「東大生が来てくれるなんて!」「ゲイの世界も変った」と何度も語っていた。
私は、(そりゃ~東大生だって、ゲイの人、フツーにいるでしょう。いやむしろ多そう。なんで文學先生、こんなにはしゃいでいるんだろう?)と、内心不思議に思った。
でも、それも今ならわかる。そのときの印象では、lesbianより100倍進んでいると感じたgayの世界だったけど、まだまだ一般の人からはほど遠い世界で、エリート(?)の道を踏み外すかもしれない危険を冒してまで、行くところではなかったんだろう。
文學先生には、「どこの大学?」と何度も聞かれたけど、答えなかった。

他のlesbianの人たちと何を話したのか、細かいところは忘れてしまった。
でも忘れられないのは、ひとりの人が、「薔薇族」を買ったときの話。
レジで「薔薇族」を差し出すと、店員が、
「あ、こいつ、レズだぞ!」
と叫び、まわりにいた人たちにも
「レズ!レズ!」
となじられ、逃げるように帰って来た・・・という話。それも、東京のど真ん中での話。
当時、辞書を見ても、「レズビアン」の項目には「異常性愛」と書かれていたから、「正常」な人が「異常」な人を叩くのは、ごく自然な話・・・なわけない!絶対に許せないと思った。
文學先生は、その人に店の名前など詳しく聞いていたから、恐らくその後、抗議されていたと思う。文學先生には少し俗っぽいところもあったが(ごめんなさい)、先ほども書いた通り、私は大尊敬している。先駆者として、とても言葉に出来ないほどのご苦労があったはずなのに、終始穏やかで、かつ闘う人だった。

その「レズ!」となじられたという人に、「また会いましょう」と言って、店を出た。
でももう2度と会うこともないだろう、ということも、知っていた。
ストレートの人たちの中にいて、いつも居場所のなさを感じていた私。
でもそこは、さらに私の居場所ではなかった。
私はそれから10年、クローゼットに閉じこもった。

(「L」ブーム(2)に続く)

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みのわ
こんにちは。初めまして。

今私は自分のセクシャリティーについてすごい悩んでいて、いろんなブログやドラマを観まくっています。

いったいどうすればいいものか・・・っと思っている時にこのブログを拝見させていただきました。

次回も楽しみにしています。
2008.02.03 Sun 15:53 URL [ Edit ]
ふうてんの・・
筆者さんのように、人知れず一人一人が踏み分けて行った、先に道ができるんだろうか。
噂のThe Lword 2をDRAMAでかりた。2も1も2本ずつ借りられてた。(私はなんとなく前から映像詩的な感じのことに惹かれてか、「テルマ&ルイーズ」「女の復讐」「めぐりあう時間たち」とかがすきである。古い人間なのかな。。実際悲劇的な感じではあったからなー自分てきに実感があるのかしら。)なんかみたけどどうも「ビバリーヒルズ青春白書」だっけ?的で普通。
でもよりその普通感がふつうなんだろうなあ。他の方の実体験的には。。L word の皆さんが言っていたように、おそらく私は別種のビアンなのだろう。でも、またなんか身近にかんじられて、だから大いにこれから観ようと思っている。

2008.02.03 Sun 17:20 URL [ Edit ]
すず
「居場所探し」は永遠の課題なんでしょうか。
ここに書かれている25年前と比べて
今はいろんなことがオープンになっていますが
セクシュアルマイノリティ内のコミュニティの細分化も進んで
より自分にフィットする場所を探し求め続けている気がします。

久しぶりにココロ揺さぶられてしまいました(笑)
年齢や居住地を超えて、同じ価値観で語れる友人に恵まれている今に
幸せを感じました。はい。

お話の続きがとても楽しみです。
2008.02.03 Sun 22:41 URL [ Edit ]
koo
>みのわさん
はじめまして!
悩んでいる真っ最中は、ほんとにしんどいですね。
もうすっかり全てが過去になった私でも、今回これを書いてたら、いろんなことを思い出して、胸が苦しくなりました。
(2)(3)まで続くと思うので、またぜひ見に来てくださいね。
2008.02.04 Mon 22:39 URL [ Edit ]
koo
>ふうてんの・・さん
私はL Wordが大好きで、あの明るく華やかな世界を楽ししんでます。
でも一番好きな映画は、「Another Way」なんです。
ご覧になりましたか?もう悲劇中の悲劇のビアン映画。
ああいう悲劇の時代があってこその「Lの世界」だと思うし、どちらも私にとって必要だなあと思います。
Lも、かなり重いテーマも出てきます。
またこれからも、楽しんでくださいね~。

>すず
「セクシュアルマイノリティ内のコミュニティの細分化」は、SNSで顕著ですね。いいのか、悪いのか。ちょっと危惧も感じます。

前にすずに会った時に、WEの話をしていて、忘れていたいろんなことを思い出したの。それが、これを書くきっかけのひとつにもなりました。
私もネットを始めて、はじめて「仲間」に恵まれました。そのあたりもこれから書いていこうと思ってます!
2008.02.04 Mon 23:15 URL [ Edit ]
ruka
このブログに集まってきている人たちが、もし25年前に出会ってたら、私たち孤独ではなかったね、きっと。だけどそれぞれが皆、自分はいったい何なのか?悩み、傷つき・・・その間に時代もかわってきて、かけがえのないそれぞれの「今」がある!ストレートの人たちには決してわからない苦労をしてきている分、なんて言ったらいいのかな?うまく表現できないんだが、好きな相手も含めて人にやさしくなれるかな?(そういう私は恐いオバサンなんだけどね!)
思えば私も、中学の頃から違和感があったな。修学旅行とかで必ず出るじゃない?「好きな人」の話。いつもまわりに合わせてた。(私はオクテなんだ。大学生になったらきっと好きな男性があらわれる!)って、あの頃は信じてたけど、もう○○歳だもんね!今だってopenにはしてないけど、7年前にkoo chanと知り合って、気持ちがラクになった。ありがとう。これからも仲良くしてね!
2008.02.05 Tue 00:48 URL [ Edit ]
koo
>rukaさん
25年前・・・そう、ほんとに孤独でした。
両親に愛されて、友達もいて、でもすごく孤独だったなあ。恋人がいなかったからじゃない、同じ「仲間」がいなかったから。
それを考えると、今はほんとに幸せ!
苦労したり、いやな思いをした分、ほんとにそれが優しさや他者への共感につながればいいなあ、と私も思っています。

私も、同じ!「私はオクテなんだ」って思ってた(笑)
いや、今でも純情可憐な私ですが~~。
rukaさんにもいつも楽しませてもらってます。
これからも、こちらこそ、よろしくね!
2008.02.06 Wed 02:13 URL [ Edit ]
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