ビアン通信 「プレシャス」
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2010.12.04 Sat
今年のアカデミー賞で話題になっていた「プレシャス」。
DVDが出たと聞いて、早速借りて見た。

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ガボレイ・シディベ、モニーク 他

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この映画は、上のamazonにもある通り、87年のハーレムが舞台。
貧困、虐待・・・過酷な環境の中で生きる16歳のプレシャスが、実の父親との2番目の子供を身ごもり、学校を退学になり、通い始めたフリースクールでひとりの女性教師と出会い、変わってゆく・・・というストーリー。
内容はひどく重いが、希望や明るさもある。かと言ってハッピーエンドでもない。現実の厳しさを見つめつつ、人の再生する力を信じていこう、というのがテーマかな、と思った。



レズビアン的視点から見ると、ストーリーとは関係ないところでいろいろと楽しめた。
作品を見終わってから知ったが、監督のリー・ダニエルズはゲイで黒人の監督。
原作(原題「プッシュ」)を書いたサファイアも、レズビアンで黒人の作家。
そのせいか、よーく見ていると、ゲイ的小道具や登場人物が作品中に散りばめられている。

まず、プレシャスに多大な影響を与えるレイン先生。彼女はレズビアン。

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なかなか魅力的な先生で、演じるのはポーラ・パットン。彼女は母親が白人で、父親が黒人。
原作者のサファイアも、レイン先生と同じく、10年間ハーレムにあるフリースクールで英語を教えていた。そのときにプレシャスのような子供をたくさん見てきたと言う。
その時の体験を基に「Push」を書いた。それが「プレシャス」として映画化された。日本では映画化に合わせて文庫「プレシャス」が刊行された。

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(2010/04/10)
サファイア

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プレシャスの視点から、プレシャスの一人称で書かれた作品で、ぜひこちらも読んでみたい。

プレシャスは、レイン先生がレズビアンとは最初気づかなかったが、行き場を無くして先生の家に泊めてもらったことで、気がつく。
同居しているパートナーが下に降りてきて、先生とハグする場面がこちら。

pre7a.jpg

プレシャスは、このふたりの姿を見て、あ、レズビアンなんだ!と気がつく。
私はこのシーンで、後ろに張ってあるポスターが気になった。「Rainbow」の文字も見えるし、どことなくゲイチックではないか。「When the rainbow is enuf」ってどういう意味なんだろう、なぜrainbowがenoughなとき黒人女性が自殺を考えるのか、と思って調べたら、「For Colored Girls Who Have Considered Suicide When the Rainbow Is Enuf」という有名な舞台だった。
レインボーに引っ掛けて、7つの色の名前の女性たちが登場し、それぞれ貧困、中絶、虐待など何らかの問題を抱え苦しんでいる。そういえばレイン先生の名前もBlueだった。

何度も上演され、トニー賞など数々の賞に輝いた作品だが、ちょうどこの11月、「For Colored Girls」という題で映画化され、全米で公開された。「プレシャス」のプロデューサーのTyler Perryが監督を務め・・・ってなんだ、このポスター、宣伝かい!と鼻白んだが、ウーピー・ゴールドバーグ、ジャネット・ジャクソン、タンディ・ニュートンなどなど大物黒人女優が勢ぞろいなので、一見の価値がありそう。最初は来年1月公開だったが、アカデミー賞に間に合わせるため、公開を急いだといわれている。



「プレシャス」にすっぴんで出ていて驚いた、マライア・キャリーもこの映画に出演する予定だったが、妊娠で降板したそう。

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        これが「プレシャス」でのすっぴんマライア・キャリー!

なーんか見たことあるけど誰だっけ?・・・と、最初全然わからなかった。
プレシャスの相談に乗るソーシャルワーカー役なんだけど、いい人なのかどうなのか、信頼していいのか悪いのか、本気でプレシャスのことを心配しているのか職業的なのか、よくわからないところがいかにも実際のソーシャルワーカーにいそうな感じで上手いなあと思った。(イメージなので。私は違う、というソーシャルワーカーの方、ごめんなさい)
そして、この女性のデスクにも、レインボーちっくなイラストが飾られていて、気になってしょうがなかった。文字は読めないが、これはなんだろう??

あとは、いるよねーこういうビアンの子、という女の子を発見したので張っておく。
「insect」と「incest」を間違えたプレシャスに指摘し、恥ずかしそうにうつむく同級生・・・という1シーンだけで、役名も与えられていないけど、めっちゃビアンっぽかった。
オフ会に行くと、ひとりは必ずいるタイプ。

   pre1b.jpg

   preb.jpg
    
性の匂いがしないと言うか、第二次性徴前の男の子のような女の子。
こういう子のことを「中性っぽい」と言うんだろうな。
でも「中性っぽい」という言葉は難しい。メル友募集などで「中性っぽい人が好み」と書いたら、きっとものすごく男っぽい人たちから返信が来ると思う。女性だけど、男っぽすぎて女性には見えない、と言う意味での「中性っぽい」。
私も20年前、今はなき「ラブリス」で経験済み。男っぽ過ぎず、女っぽ過ぎず、男っぽくもあり、女っぽくもあり・・・という意味での「中性」だったんだけど。
セクシャルマイノリティの用語って難しい。

ってなんで「プレシャス」の感想が中性談義になったのだろう。
感動的な映画なのに、本筋とは関係ないところにばかり目が行ってしまった。

最後に、この映画を見ていて「カラーパープル」みたいだなあと思っていたが、原作本の方でプレシャスが「カラーパープル」を読んで、「まるで私!」と感銘を受ける場面があるとか。
「カラーパープル」は、20世初めのアメリカ南部の話で、過酷な環境にあった主人公の黒人の少女が、夫の愛人である女性と出会い、レズビアン的感情、関係をもつことで、魂を解放してゆく・・・という話。
映画では、レズビアン的関係が暗示的に描かれていたが、ビデオを止めては巻き戻し、止めてはまた・・・と、その場面を何度も見たのが懐かしい。
小説の方ではレズビアニズムがもっとはっきり描かれているので興味のある方はぜひ。

カラーパープル (集英社文庫)カラーパープル (集英社文庫)
(1986/04/04)
アリス ウォーカー、柳沢 由実子 他

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mossamnl(twitterのアカウントです)
プレシャス見たくなりました。なかなか興味深かったです。For colored girls も気になりますね。人種差別を扱ったものは、結構観てますが、アメリカの場合黒人差別が大きいですね。私もカラーパープルは映画と本、あとフライドグリーントマトも映画と本で見ました。やはり本はかなり過激な実際を伝えてますね。トマトの方は、映画(色々批判はあったようですが)が大好きでメアリー・S・マスターソンとマリー・R・パーカーのファンになりました。また、誰かが、(今度は二人の関係をもっとはっきりソレと分かるようにして)この映画作ってくれないかと期待しているのですが・・長くなってしまってm(_ _)m
2010.12.05 Sun 16:51 URL [ Edit ]
koo
>mossamnlさん
コメントありがとーー!
こちらではお初ですね。
フライドグリーントマト、大好きです!
あれも小説ではレズビアン関係がはっきり描かれているのに、
映画では随分ぼかした感じになってましたね。
たしかセルロイドクローゼットの中でも、脚本家だったかが出てきて、
ものすごく変更させられた、て怒ってましたね。
でも、私たちの妄想力は、そんな圧力に負けるようなやわなものじゃないので、
ぼかした部分は想像力で補って、みんな見てたんじゃないかな。
メアリー・S・マスターソンもメアリー・R・パーカーも大のお気に入りで、
他の作品もいろいろ見ました。
「恋しくて」のマスターソン、すごくキュートだったけど、最近は見ないですね。
ルイーズ・パーカーは、最近もTVドラマ「Weeds」で大ブレイクしたようですね。
ゲイフレンドリーな女優さんで、大好きです。
今ならあんな風にぼかす必要はないから、もっとビアンチックな作品になるだろうなー。
2010.12.07 Tue 22:12 URL [ Edit ]
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