ビアン通信 「L」ブーム(2)
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2008.02.06 Wed
(2)15年前
■ゲイブーム
もう2度と来ることもないと思った2丁目に、再び行くようになったのは、15年前。
「『レズビアン』である、ということ」の著者・掛札悠子さんのおかげだが、当時はゲイカルチャーブームだった。

91年に、伏見憲明氏が日本初のカミングアウト本、「プライベート・ゲイ・ライフ」を出し、雑誌「クレア」で「ゲイ・ルネッサンス91」という特集が組まれた。92年には「別冊宝島・ゲイの贈り物」「別冊宝島・ゲイのおもちゃ箱」の2冊が刊行された。いずれもゲイカルチャー中心だが、ビアン映画や本の紹介も豊富にあった。
その前に、87年に別冊宝島から「女を愛する女たちの物語」が刊行された。これは画期的な本だった。沢山のlesbianの生の声を集めた日本初の本で、沢山の人が、この本によって救われた、勇気づけられた、と言うのを聞いた。私もそのひとり。

そんな状況の中、登場したのが掛札さん。
「『レズビアン』である、ということ」を出版し、TVや雑誌など、様々なメディアに現れた。実名で顔出ししてマスコミに登場した、初めてのlesbianだった。
そして掛札さんは、ミニコミ誌「ラブリス」を発行。こちらから連絡を取り、会員登録し、家まで「ラブリス」を郵送してもらうシステム。その時代に、見ず知らずの人に自分の本名と住所を教えて「私はレズビアンです」などと言うような行為は、怖くて誰も出来なかったと思う。でも掛札さんが著書を出し、メディアに顔を出し、「ラブリス」について一生懸命語ってくれたおかげで、みんな彼女を信用し、会員になれたのだと思う。多いときで、1500人ほどいた。
「ラブリス」はメッセージ欄が中心になっていて、誰でも匿名でメッセージを載せられた。それに対して来た手紙を、編集部が転送してくれた。

その頃(93年)、kins womynが出来、そのkinsをはじめ、ビアンバーが、TVや雑誌で度々紹介されるようになった。
私は、ラブリスで知り合った人と、10年ぶりに2丁目を訪れた。ここが本当に2丁目?みんな本当にlesbian??そこには、どこにでもいそうな学生や、OL風の人で溢れかえっていた。

kinsのカウンターに座っていたら、隣に、大学生と思われるカップルが来た。ひとりは、髪の長い、とても綺麗な人で、どこからどう見ても「お嬢様」という雰囲気だった。
10年前とはあまりの違いように、(この人、間違って来たのかしら?)と思ったが、見ていると間違いなくカップルだった。
それ以外は、ひとりで来ている人が多かった。みんな黙々とお酒を飲み、誰もしゃべらず、お互い決して目を合わさない。視線を感じてそちらを見ると、慌てて視線を逸らされてしまう。最初は、何故なのかわからなかったけど、そうか、ここにいる人たちは皆ものすごく緊張しているんだ!と気がついた。TVなどの影響で初めて来たか、それに近い人たちだったと思う。

■イベント
私は1年ほどの間、2丁目に行ったり、イベントに参加したりした。でもまた足が遠のくことになった。そのきっかけは、Weekend。(泊りがけのイベント)
Weekendと言っても、今ある「ウーマンズ・ウィークエンド」(WWE)とは違う。別物だ。
後になって知ったのだが、私が参加したWeekendは「バイお断り」、というものだった。それに対してバイもレズビアンも関係ない、女性ならOK、というのがWWE。その第1回目のWWEは、私が参加したWeekendの直後に行われた。
後で聞いて、そちらに参加すればよかった!と思った。ただ集まって話をするだけなのに、なぜ「バイお断り」になるのか? 私には、全く理解できない。
セクシュアリティー以前に、人は皆ひとりひとり違うのだし、その違いの中にこそ、学ぶ部分が多いのに。
(私はいつもこのブログで、「ビアン」「レズビアン」「lesbian」と書いているけど、それはバイセクシュアルも含めての表現だ。)

私は、ラブリスを通じて、あるグループを知り、そこに入っていた。そのグループの人たちに誘われて、WE(Weekend)に参加した。ラブリスやメディアのおかげか、すごい人数の人が来ていた。150人(200人?)はいたと思う。
でもそこに来ていた人たちは、kinsで見た人たちとはだいぶ違っていた。10年前に戻ったかのようだった。化粧していたのは、私ひとりだった。そのことに気づいたのは、1日目、あるワークショップ(分科会)でだった。

そのワークショップでは、化粧が話題になっていた。曰く、
「化粧は男の目を意識してのものだ!」
「化粧は男に媚びるための道具だ!」
「だから、レズビアンなら化粧なんてするべきじゃない!」

それを聞いてた私は、ひっくり返りそうになった。そして、
「私は世界にたったひとりになっても、お化粧する!おしゃれする!それは私の美意識の問題だ!」と内心で叫んだ。でも、発言はしなかった。その頃には、言葉の通じない外国にいる気分になっていたから。
これじゃあ、お化粧している人は、ここに居にくいだろうなあ・・・と思ったが、まわりを見まわすと、誰一人お化粧していなかった。それから、WEにいる間中、お化粧している人を探したが、誰もいなかった。でも私は構わず2日目もお化粧した。ピアスも指輪もブレスレットも、普段通りにした。

もうひとつ、びっくりしたことがあった。
WEが行われた宿泊施設には、一般の様々なグループが来ていた。
そして、WE参加者がロビーに全員集合する機会があり、そのときに主催者の人が「レズビアンが~」と大きな声で言うので、近くにいる人たちがびっくりしてこちらを見る・・ということが、何度かあった。
それで誰かが、「私は地元民なので、近所の人に会うかもしれない。”レズビアン”と、ロビーで大きな声で言うのは、控えてもらえませんか」と言った。すると、参加者の中から、
「レズビアンが恥ずかしいのか~!」
「レズビアンは恥ずかしいことじゃない!」
「なぜレズビアンと言えない!」
・・・・・・・・・
さすがにとりなす人も出てきたが、叫んでいる人たちを見ていたら、まさに「糾弾」という言葉が浮かんだ。

なぜ、ここにいる人たちは、自分の価値観が絶対で、自分とは違った価値観を認めようとしないのだろう?
なぜ、こぶしを振り上げて、価値観の異なる仲間を非難したり、糾弾するのだろう?
それじゃあ、「gay」「lesbian」というだけで差別する、ホモフォビアの人たちと、なんら変わりがないじゃないか、と思った。
もちろん、全員がそうだったわけではなく、個人的に話すと、とても常識的な良い人も沢山いた。でもその人たちは、私と同じ心境だったのか、殆ど発言しなかった。

さらにもうひとつ、忘れられないことが起きた。
1日目、あるワークショップの後、ひとりの若い人が「ちょっといいですか?」と話しかけてきた。私より10くらい若い大学生だった。
彼女曰く、ずっとセクシュアリティーのことで悩んできたが、まわりに誰も相談する人がいなかった。それでこれに参加したが、ここの雰囲気になじめなかった。今、あなた(私)の発言を聞いて、この人なら・・と思って、声をかけた、ということだった。
そう言われて素直に嬉しかったし、しばらく話をした。彼女の学校でのことや、友達のことなど、聞いたと思う。
翌日、また彼女が私のところに来て、話をしたいと言った。それで、今度は少し時間をかけて話をした。詳しい内容はもう覚えていないが、ふたりで芝生に座って話をしたのは覚えている。

その後、私が参加していたグループの主催者に、呼び出された。
「あなた、ここに、何しに来たの?」
「?????」
最初は何を言われているのか、さっぱりわからなかった。が、その若い大学生のことを言われているのだと、気がついた。私がナンパしたとでも?あきれて、言葉もなかった。
たしかに可愛い子ではあったけど、そんな気持ちは全くなかったし、話している内容も、ごく真面目な内容だった。
そうしたことも何も知らないのに、いきなり「ここに、何しに来たの?」
・・・そうか、私も糾弾されているんだ、と気がついた。

(「L」ブーム(3)に続く)

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ふうてんの・・
このブログを読んでいるきっかけは、多くの人が抱えてしまっている、ビアンであるが故の染み付いて滲み出ている・心身の痛み・とやらが全くブログから感じられなくて、むしろ別の次元の軽快な面白コメントに爆笑しながら毎回楽しくみれたからです。でも、やっぱりいろいろ苦労していらっしゃったんだーーっ、とわかりました。その内容までもいろいろ知ることができる大切なことばかりでいます。
 私は日々他にもパフナイトとかいろんなところで情報を得ようとしています。でも感じ判りはじめたことはさまざまなタイプがあって、嗜好もそれぞれだということ。「L Word」もその中の1つ。私が好きな、松浦理恵子てき世界?。WEの方々の世界?。もっと不思議世界。(そりゃニンゲンダカラ違うわけよ。と。)
 今は下手でも色んな「声」を挙げてアバタモエクボじゃないけど、そのことを知ることから始めようよ。と自分に言い聞かせてる。でも日本人の価値観は或る意味で難しいよね~
 


2008.02.06 Wed 11:00 URL [ Edit ]
koo
>ふうてんの・・さん
苦労と言えるかどうかはわかりませんが、たしかに昔は、いやな思いや、今じゃちょっと考えられないような経験もしました。でも、きっといつか状況も変るはず!と思っていました。何があってもあきらめず、前向きに、楽観的にいきたいなあ、と思っています。
今はネットのおかげで、ビアンの状況も大きく変ったし、あらゆる情報を手に入れられるようになりました。せっかく沢山の情報があるのだから、それを積極的に取り入れていきたいですね。
パフナイトにも行かれているんですか?私もちょっと興味があります。
「L」ブーム(3)は明日(というかもう今日ですね)には、アップ出来るかなあ、と思っています。
2008.02.08 Fri 00:59 URL [ Edit ]
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