ビアン通信 ハートをつなごう 「レズビアンマザー」(2)
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2011.03.11 Fri
番組を見る前、私はとても楽しみにしていた反面、ちょっと怖いような気もしていた。
それは、娘・のえさんの死。
私には成人した息子がふたりいる。まだ子供のいない時には、子供を亡くす話(ドラマやノンフィクションや映画など)を見ることが出来たけど、子供を持ってからはそうした話を見ることが出来なくなった。もしも自分の子供が亡くなったら・・と想像するだけで恐ろしく、耐えられない気持ちになったから。

でも今思うことは、のえさん、本当にありがとう。
生前は出会えなかったけど、のえさんが遺した日記を読み、ずっといろいろなことを考えています。人と人とのつながりについて、家族について、親と子の関係について、孤独について。・・その他たくさんのことを。
そしてのえさんの死について語ってくれた英子さん、恵子さん。子供の死、しかも自死であるそれを番組の中で語ることは、「レズビアンマザー」であるとカムアウトすることと同じかそれ以上に大変なことだったと思う。
とても淡々と語る恵子さん。淡々と語れば語るほど、一体この人の中にどれほどの深い悲しみがあるのだろう、と思った。
英子さんの語る言葉は本当に正直で、真摯で、胸を打った。

番組の中で一番心に残ったのが、英子さんの語った言葉。
「亡くなったことを受け入れるのは、もう1度のえの人生総体を受け入れること。
 それが私に出来るのか、ていう・・」

自死によって残された家族が乗り越えるのは、その理不尽な死そのものだと思っていた。それによって引き起こされる絶望的な思いや悲しみを乗り越えていくことが、死を受け入れることだと思っていた。そうではなく、その人のそこに至るまでの人生まるごとを認め、受け入れること。そうだったのか・・・考えたことがなかった。
でもそうしてその人の人生をもう1度掘り起こし、受け止めていく作業は、残された家族にとってどんなにか痛みの伴う作業だろう。

私は番組を見終わってすぐに、おふたりのサイトに飛んだ。
その中の日記を読み始めて、のえさんのサイトがあることに気づき、そちらに飛んだ。
その1番上にあったのえさんの日記を読み始めたら、どんどん引き込まれて途中でやめられなくなった。あと少し、あと少しと思っている間に、全て読んだ。その後、明け方まで眠れなくなった。

亡くなる直前に自閉症と診断された(日記にははっきりそうとは書いてないが)のえさんにとって、生きること、人とつながることは、とても困難なことだったと思う。
日記の中で、のえさんの剥き出しの魂があちこち彷徨い、頭をぶつけたり、怒ったり、感動したり。人を求めて求めて、傷ついて、傷つけて。
そののえさんの日記が、こんなにも私を引きつけるのはなぜだろう。
それはきっと、私の中にものえさんがいるから。
誰の中にもいるのかもしれない。それを意識するかどうかはわからないが。

本当はここで紹介したいのえさんの文章がたくさんあるけど、ご本人の了解を得ることが出来ないし、それに私が書くより何よりとにかく日記を読んでもらいたい。
私は2度、読んだ。2回目も途中でやめることが出来なくなって最後まで読んだ。これからも、何かある度読み、考えていくと思う。
のえさんの日記だけではなく、英子さん恵子さんの日記も、私にとってはっと目を開かされたり考えさせられることがたくさんあった。のえさんの日記同様、これからも何度も訪れていくだろう。
だからこの番組との出会いは、私にとっての「始まり」だ。

番組に話を戻すと、見終わって1番に感じたことは、英子さん恵子さんの愛情の深さと絆の強さ、お二人を取り巻くお子さんたちの愛情と温かさ。
と同時に、恐らくこの家族にはたくさんの大変なことがあったんだろうなあ、テレビでは伝えきれないたくさんのことが。そしてこれからもきっといろいろなことが起こるんだろうなあ、と思った。
それは、おふたりがレズビアンマザーだからでも、時代のせいでも、地方に住んでいるからでもない。家族だから。家族だからこそ。

家族が単なる共同体や恋人どうしではない、本当の意味での家族に育っていくのは、良いことばかりではなく、様々な負の出来事や負の感情を経験し、共有し、それらを乗り越えたり乗り越える努力をすることによってだと思う。
それには結婚しているかどうか、子供がいるかいないか、異性か同性かは関係ない。
この番組を通して、あらためてそのことを強く思った。

私の中では、まだまだわからない部分もある。
それはこれからじっくり考えていけばいいと思っている。
私にたくさんの考えるきっかけと始まりを与えてくれたこの番組、英子さん恵子さん、のえさんはじめお子さんたちに感謝したい。



久々に1位になっていました。ありがとうございます!
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ケイコ
未曾有の災害の翌日に、まさか2がアップされてっこないだろうと思いつつ、でも開いてみました。おとといまで何回も開いていたのです。昨日は地震直後から、東京の娘のこととか、ずっとヒデコが連絡取ろうとしたり、千葉の姉に私が何度も連絡取ったり、東京からわざわざまた、あのセンターに「講演」に来た知人の講師先生につきあったり。で、今、2を読んだ。この先生、私達の番組もまだ観ていなくて、まさにつき合っただけ。
私はいつ誰が言ってくれるのか、誰も言わないのか、と思っていた。ほぼ、あきらめていた。
私にとっては、レマザーとカミングアウトするよりも、「娘が自死した事実」を公共放送で明らかにするほうが、時に胸が押しつぶされるほど大きなことだった。
そのことを誰がいつ、想像してくれるのだろうか。誰がいつ言葉にするんだろうか、と。
のえのCDブックのための執筆も、「のえルーム」に通ってくれていた一人だけが、「それはケイコさんにとって、どんなに大変で厳粛な作業か」いたわるように言ってくれたことがあったっけ。一人だけ。
そして、もっと恐怖したこともある。レマザーで、自死遺族でもあることをセットで、誰かが何かを言い出すのではないか、と。今のところ、それは幸いない。目の前では、少なくともないけれど。
だって、この二つがセットの番組だと言った時、レズビアンで新しく友人になった人さえ、「それは微妙。危険かも」と言った位だったから。
その人は、「のえルーム」の営みについても一切知らず、のえも知らず、のえの唄や日記が届くようなタイプの人ではなかったんだろうけれど。
読みながら泣きました。
ありがとう、とは言いません。
一緒に、前に進んでいく、仲間となるはずの人に対しては。
でも、家族を作る、ということは、たとえ戸籍に入っていても、男女でも同じ、と、いきなりいうのには、私は同意できないところがある。ここに書かれた文脈では理解できても、根本的にはけっして同意できない。その辺りもゆっくりブログに書きます。すでに少しずつ書いてもいます。
2011.03.12 Sat 15:01 URL [ Edit ]
mossamnl
昨日コメントを書いている最中に今回の地震が起きました。
この大天災を受け改めて書いています。
この番組を見て私もお二人にとても共感した一人です。(ていうか二人)お二人は厳しい時代背景の上に離婚子連れという中で家庭を作るという勇気ある選択をしました。そして35年という歴史・・もう強い尊敬と共に自分たちにも大きなエールを頂いたように感じました。お二人が二人の絆を信じて様々な壁を乗り越えそしてのえさんの悲しみを家族で受け止めていこうとしてきた歩みにものすごく感動しました。
私たちも二人で暮らして13年目に入りました。お二人が既成事実を一つ一つ積み重ねて、周りや地域に根ざしてきたことに痛く共感しています。私たちも二人で家を購入し地域に根ざして生きていく事を選んで小さいけど様々な壁や家族・周囲との折り合いを付けながら実質的な理解を得つつ今に至りました。もちろん子供はいませんが、まさにクーさんが言うように「本当の意味での家族が育つ」のは、どんな形態であれいいことも悪いことも家族として受け止め乗り越えていく努力をしていくのだということに感銘。お二人を見てこれから二人で老いていく事が楽しくなりました。

追伸 
私たちは12年共に暮らしてきて今や二人と7匹の異種同姓家庭ですが、言えることは【運命共同体】であるということ。顔が違うように「家族」も一つとして同じものはないんですよね。どんな形の家族だって、色んな苦しみ、悲しみ、喜び・・・を抱え、直面する。それを受け止め、立ち向かい、乗り越えていこうとする中で絆って生まれて強くなるんだと思います。今回の地震で改めて、自分たちのことを考え合っています。
あと、TVで全国カムアウトし、直面してきた大きな出来事まで吐露されたお二人には、正直、凄いと思いました。それによって起こるであろう様々なことを引き受けていく覚悟・・・。もちろん綺麗ごとばかりじゃないでしょうから。ドキュメンタリーは事実を切り貼りして、一つにはその作り手が意図をもって編集する真実があります。でもその映像の対象者の真実は別物だと思います。更にはそのドキュメンタリーを観る側にもそれを受けての真実があります。私はそれでいいと思っています。自分たちの思いや理解によって自分たちの真実に目をやることができました。なんか整理されずにすみません。ありがとうございました。
2011.03.18 Fri 03:07 URL [ Edit ]
koo
↑上のコメントは、mossamnlさんが、間違って「追伸」より前の部分を拍手コメントの方に書かれていたので、こちらでふたつを一緒にしてアップしました。
mossamnlさん、ほんとにありがとう!!
レスはまたあらためて書きますね。
2011.03.18 Fri 03:13 URL [ Edit ]
koo
>ケイコさん
ご丁寧なコメントをありがとうございました。
この2をアップしたすぐ後に、大地震が起きました。
生きていると本当に思いがけないことがたくさん起きますね。
1日で世界がこんなに変わり果ててしまうなんて。

のえさんが自死された事実をテレビで語る・・それがどんなに痛みの伴う大変なことだったのか、気づいていた人は私以外にもいたと思います。
ただあまりの事実の大きさに圧倒されて、口に出来なかったのではないかと思います。
「レマザーで自死遺族でもあることをセットにすること」が、なぜ微妙で危険なことなのか、
最初わからなくて、しばらく考えてわかりました。
でもあの番組には今村ディレクターのケイコさんヒデコさんへの愛、番組への愛があるので、そんな風に誤解されることはないでしょう。番組を見て、もしそう思う人がもしいたら、それは下衆の勘繰りだと思います。

>でも、家族を作る、ということは、たとえ戸籍に入っていても、男女でも同じ、
>と、いきなりいうのには、私は同意できないところがある。

私は、家庭を持つ、家族を作るということは、秘密を持つことだと思っています。
これは私自身の結婚生活、そしてその頃出会ったたくさんの人たち…主婦や夫婦や子供や家族を見ていて感じたことです。
どんなに幸せそうに見える家族でも、本当は誰にも言えない秘密や負の出来事や負の感情を抱えているんじゃないか、そしてそれこそが家族なんじゃないか、と。
そういう意味で、結婚していても、異性どうしでも同じと書きました。
でも私には同性パートナーと家族を作る経験がないので、わかっていないことがたくさんあるのだと思います。
ケイコさんの日記、いつも楽しみにしています。
でも体調の悪い時は、どうぞゆっくり休んでくださいね。
2011.03.18 Fri 03:17 URL [ Edit ]
mossamnl
クーさん、ありがとうございました^^
2011.03.18 Fri 21:53 URL [ Edit ]
ケイコ
3月17日に、NHKの虹色LGBT特設サイト に、新しく、
私達の番組の感想を中心に新しくメッセージがアップされたとディレクターから連絡があり、早速確認しました。
あるゲイの男性が、「同性愛者で子どもを持つということが、理解できなかったのです。子どもにとって良くないんじゃないかって思っていまして…」と。
特にゲイの当事者の場合、こんな発想に陥りがちなのかもしれませんが、まして、無理解な異性愛者、まあホモフォビアが強い人の場合は、レマザーと「自死」のセットで何を言い出すかわからないな、と正直思っていましたよ。
それは、皆さんが、幸いなことに、自死遺族が受ける誤解偏見、悪意のすさまじさを知らないですんでいるから、想像できないことでもあるのです。
亡くなった夫のお墓の場所さえ、夫の実家から知らせてもらえなかったある方が、今、のえのギターを引き継いでくれています。自死した瞬間から、妻は自死させた、至らぬ相手だったことになる構造を、いまだ家社会、親子関係が絶対の社会は持っているのです。
その方の元お姑さんに当たる人は、彼女の元夫のモノも何もかも、子どもは親のものだから、という理屈で持っていってしまって、彼女の双子の小さい子どもたちは、お父さんの墓参りさえできないんですよ。
私は幸いそんなひどい目には合わない中でここまで来ました。が、ある、昔親しかった人に、のえの事実を告げて、お悔やみの言葉以前に、「最近はじゃあ家に帰ってなかったの」と言われて、以後、この人との交流は断ちました。意味わかります? これだけで、「ろくに家に帰らせて面倒も見てなかったんでしょ」ってことになるんです。ただ、そう聞こえるという次元の問題ではありません。
17日にアップされたメッセージの中では、「お二人の覚悟を感じました」というタイトルのに、とても励まされ、また誠実さを感じました。また、「その事実がうれしい」には、20代の若さ、幼さ、恐れを知らぬ傲慢さを感じました。
「こんなにすごい人たちがいるよ」と描かれていたかな。「普通にいっぱいいる」人たちが顔出しでどんどん出てくれるかな。なんて思ったり。つい、私ってこんななんです。それに、婚姻制度は、本当は全ての人の権利を奪っていると言ったほうがいいようなもの。戸籍制度と置き換えてもいいのですが。
まあ、そろそろこの辺にします。
このNHKの17日のメッセージに、のえのこと、「のえルーム」のことにふれあてるものが一つもないことに驚きました。そういう意味で、KOOさんの2のほうの番組への思いは、のえのことに「偏っている」けれど、「偏る」必要ありなんだな、なんて妙に納得。
今日は、Kooさんのこのブログから、のえの日記を読んだ別の方の掲示板への書き込みもありました。
ありがとう。そしてこれからもよろしく。
また、長くなっちゃいました。
2011.03.19 Sat 19:41 URL [ Edit ]
koo
>mossamnlさん
>私たちも二人で家を購入し地域に根ざして生きていく事を選んで
>小さいけど様々な壁や家族・周囲との折り合いを付けながら
>実質的な理解を得つつ今に至りました。

mossamnlさんもそんな風に地域に根ざして周囲からの理解を得てここまできたんですね。
でも本当はそんな短い言葉では言い尽くせないほど、いろんなことがあったんでしょうね。
もしかしたら日本中にそういう人がたくさんいるのかもしれないし、
あの番組を見て自分たち自身に重ねたり、共感したり、これからを考える
きっかけになったり・・・
番組にはたしかに作り手の意図もあるし、番組として成立するための様々な制約も
あるでしょうし、映像の対象者の真実とはちょっと違ったものになるかもしれないですね。
でもあの番組はすごく丁寧に誠実に作られていましたね。
あれを見てどう感じるか、若い人たちの感じるものと私たちの年代の感じるものとでは、
もちろんその人の人生経験や個人差もあるでしょうけど、やっぱり違ってきますね。
恋愛も、人と人との関係も、人生そのものも、年月を重ねることで見えてくることって
多いですよね。
何年か後には、「ハートをつなごう」mossamnl編が見れるかな(笑)
2011.03.26 Sat 02:52 URL [ Edit ]
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