ビアン通信 シェリー・ライト
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2011.11.03 Thu
もう1か月近く前になるが、東京国際レズビアン&ゲイ映画祭で「シェリー・ライト カントリーシンガーの告白」(原題・Wish Me Away)を見た。
ここ数年は毎年映画祭に行っているが、出色の出来!
「まあまあ良かった」「結構良かった」という作品が多い中、本当にとても良かった。
感動して泣いた、という声をたくさん聞いたが、私は何度も笑った。感動の中にもユーモアがあって、それがさらに良かった。



カントリーシンガーであるシェリーがカムアウトしようと決めて実際にカムアウトするまでの日々を追ったドキュメンタリーが、この作品。作品を見るまでシェリー・ライトを知らなかったと言う人が多かったが、私は昨年、カムアウトによってシェリーのことを知った。

昨年の5月、アメリカの誰か有名人がカムアウトするらしい、という噂がツイッターやネットでしきりに囁かれていた。一体誰だろう、あの人かな?この人かな?と私もいろいろな予想を立てていた。
結局それが、シェリー・ライトだった。
シェリー・ライト?カントリーシンガー?知らないなあ、誰それ?とちょっとがっかりした。もっと誰もが知っている有名なセレブかと思っていたから。
でも写真を見て、ドキューン!超美人!!!めっちゃタイプ!!!

     Chely-Wright-Picture-010a.jpg

それで興味を持ってカムアウトの記事を読んでみた。なるほどカントリーファンは超保守的な層だから、ホモフォビアもひどく、シンガーがゲイであることなど決して受け入れられず、こうしたカムアウトは画期的なことだとわかった。
kdラングもカントリー出身だが、彼女はカナダ人なので、アメリカ人カントリーシンガーでカムアウトしたのはシェリーが最初なのだそう。
彼女の勇気に敬意を表して、絶対応援しよう!と思った。
まずはCDを買おうと思ってiTunesで聴いてみた・・・が、やっぱり無理だと思った。私が聞いたのは恐らく初期の頃の作品で、ザ・カントリー!といった感じの曲が多く、私の好みからはだいぶ離れていた。

シェリーのことは次第に忘れかけた今年の1月、ある記事を読み、再び気にかかるようになった。
Chely Wright: Sales Tanked When I Came Out

これによると、カムアウト後、ゲイコミュニティで新たなファンを獲得した反面、古くからのファンは離れ、毎日のように「地獄へ落ちろ!」といった嫌がらせメールが届き、CDの売り上げは半減したという。
ああ、やっぱり現状はそんなに大変なんだ、と思った。

その後、8月にシェリーは結婚をした。

     chely-wright-300a.jpg

     chely-wright-and-lauren-blitzer-kiss_358x513.jpg

     chely-wright-301.jpg

まるで姉妹のように良く似た美しいカップルだ。
お相手は、LGBTアクティビストのLauren Blitzerという30歳の女性。
シェリーが40歳なので10歳差。でもシェリーには子供っぽいところがあるので、ちょうどいいのかもしれない。

子供っぽいと書いたが、これは映画を見て感じたこと。
映画を見る前からシェリーのカムアウトにまつわる話はだいたい知っていたので、語られる内容にそれほど驚きはなかったが、一番意外だったのは彼女のキャラクター。
これだけの美人でつんとした雰囲気があるので、近寄りがたい感じなのかと思っていたら、ものすごく正直・・正直すぎるほど正直で、子供っぽいところのある人だった。その子供っぽさは、彼女の純粋さの表れでもあり、思いを正直に語る姿に感動したり思わず笑ったり。反面、あまり考えなしに思ったことを口にするので、ちょっとハラハラもする。映画を見て以来、ツイッターやfacebookを見ているが、ああ、そんなこと書いて大丈夫かな・・と思うことが度々ある。(そして案の定アンチに突っ込まれている)
余談だけど、映画を見た翌日、勢いでシェリーに「感動した!上映の後、すごい拍手が沸き起こった」という内容のツイートをしたら、リツイートしてくれた。そのリツイートを見て、映画のプロデューサーもリツイートしてくれた。

Lifted Off the GroundLifted Off the Ground
(2010/05/04)
Chely Wright

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先にシェリーの曲は好みでないと書いたが、カムアウトの直前に出された上のアルバムを、映画を見た後に聴いてみたらすごく良かった。いわゆるカントリー臭を消して、誰にでも聴きやすい作品になっている。
シェリーの声は野太く、本人を知らずに聴くと、南部のガタイのいい女性が浮かびそうだ。そこも意外だった。

シェリーのカムアウトはたまたまぽろっとしたものではなく、Xデーに向けてドキュメント映画を作り、アルバムを出し、自伝を出版するというものだった。カムアウトしたい!というのは本人の純粋な気持ちからだろうけど、そのやり方(レコード会社?)にほんの少し鼻白む気持ちもあったが、それを消し飛ばしてくれたのも彼女の正直さだった。

Like Me: Confessions of a Heartland Country SingerLike Me: Confessions of a Heartland Country Singer
(2010/05/04)
Chely Wright

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この本は私も先日買った。まだほとんど読んでいないが、映画の中にも出てきた彼女の家族たちや子供の頃の話や恋愛の話など盛りだくさんで、楽しみだ。
映画を見ていると、シェリーは父、姉、弟、おばなど家族にとても愛され支えられているが、母親だけがよくわからない、何か爆弾のような存在として描かれていた。母親に関しては家族のだれもが口を濁し、シェリーも最後まで母親にはカムアウト出来なかった。母親はお姉さんをずっと子供の頃虐待していたらしいが、自分は被害にあわなかったことに対してシェリーは「guilty」を感じていたと口にしていた。
誰も愛さない(愛せない)ように見える母親のもとで育ったせいか、シェリーは「人に愛されたい!」という気持ちが人一倍強いように感じる。
「私はファンに愛されたいの。愛されると嬉しい。愛されるためにいつもフレンドリーに、感じ良くふるまったわ」と映画で言っていた。それはツイッターやFBでも非常に感じる。

映画の中で一番印象に残っているのは、カムアウトの直前、自撮りの独白の中で
「自伝に水着姿のセクシーなショットを載せようと思ったら、〇〇(編集者)に反対されたの。いったいこれ撮ったとき、何考えてたの?って。何も考えてないわよ。こういうのが好きなのよ!フェミニストはすぐにこういうのに反対するけど、じゃあ私も〇〇みたいに髪を短くして、化粧っ気なく、Tシャツに短パン着ればいいの?いやよ」
と、べそかきながら小学生のようにぐずぐず言っていたシーン。
美人台無しのべそ顔だったけど、可愛くて思わず笑ってしまった。
その後言った言葉も印象に残っている。
まだ子供の頃、母親とテレビを見ていたら、男のような女性が出て来て
「この人はなんでこんな男みたいな恰好をしているの?」と聞いたら、
「同性愛者だからよ」と母親が答えたという。
そのとき、こういう格好をしていると同性愛者とばれてしまうんだ!と、既にレズビアンの自覚のあったシェリーは強く思ったという。

これに関しては、自伝をぱらぱらと見ていたら、詳しく書いてある箇所があった。「Stereotypes」という題で、その男のようなレズビアンを母親とテレビで見たとき交わした会話、衝撃、恐怖。はっきりとは書いていないが、以来ずっと男っぽいレズビアンに対して嫌悪と恐怖の念を抱いていたようだ。そうした女性を見るたび「なぜもっと女らしくしないのか」と思っていたという。
でもそれは、隠れゲイである自分の中のフォビア・・・男っぽい女性がレズビアンのステレオタイプであるなら、自分の中にもある男性的な面を見て誰かがゲイだと気づいてしまうかも、という恐れから来ていると思い始める。
シェリーは子供のころからtomboyでもあり同時にフェミニンでもあったという。(歌を聴いているとそれは非常に感じる)
でも男性的な面、女性的な面、両面あるのはシェリーに限らず多くのレズビアンがそうだろうし、ストレートの女性でも多くの人がそうだと思う。ただシェリーの場合は、育った環境、信仰の中で、ゲイバレすることが人生最悪のことだと感じていたので、歩くカムアウトのようなレズビアンを見るたび否定的な感情を抱いたのだろう。
ちなみに自伝を読んでわかったが、その初めてテレビで見たレズビアンとはテニス界の大御所、キング夫人ことビリー・ジーン・キングさんだった。二人目に見たレズビアンはナブラチロワ。まあたしかに昔のナブちゃんは男らしかった!

映画は機会があれば、ぜひ見てほしい。自伝も今少し安くなっているようなので、興味がある方はぜひ。
これからもシェリーの活動に、注目していきたい。



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ノリコ
私も観ました。確かに子供っぽいしある部分は子供。ショウビズの世界で自分自身であることよりファンに愛される受け入れられ売れるシンガーであることが第一だと何十年も刷り込んできたら(刷り込まれてきたら)刷り込みを剥ぐって並々ならではないと思うし、実際カムアウトしてからの方が本当の闘いだし苦しいことも多いかと思う。でもそれを乗り越えようとするとき人は、彼女は偽りの自分を生きていたときには決して得ることの出来なかった大事なこと大切なことを経験するんじゃないだろうか。自分に正直な生き方を選ぶ人たちに与えられる贈り物だとも思う。そう言う意味で一歩踏み出した彼女に心からのエールを贈りたいと思う。
2011.11.06 Sun 23:56 URL [ Edit ]
koo
なんと2ヶ月も経っているではないですか・・・
いつもコメントありがとう!

シェリーはずっと本当の自分を隠して生きてきて、
カムアウト後に苦労も多いけどやっと偽りのない自分になって、
クローゼットの中にいた頃の人生を取り戻すかのように
今すごい勢いで生き直している・・・
そんな印象を受けます。
それが見ていてハラハラ、でもそんなシェリーだから
心から頑張って!と応援したくなります。
すごく年下だけどしっかりした伴侶に出会って、
いつまでも仲良く素敵なカップルでいてほしい、と思います。
2012.01.09 Mon 10:49 URL [ Edit ]
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