ビアン通信 タチネコ今昔物語(1)
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2008.03.05 Wed
先日チャットで、若い方に、「タチネコについて」、いろいろ質問された。(個人的なことではなく、タチ・ネコ全般についての質問)
私は以前のサイトでも、「タチネコについて」、コラムを書いた。そのときと重なる部分もあるけど、またもう少し、詳しく書いてみたい。

ネットを始めて、ビアンサイトに出入りするようになって、一番びっくりしたのは、「タチネコが復活している!」ということ。92年頃、まだネット以前、私が頻繁に2丁目やイベントや集まりに行ってた頃、タチ・ネコという言葉はほとんど耳にすることはなかった。
「タチですか、ネコですか?」と聞かれた記憶もない。
その頃(92年)に出たビアン小説、「微熱狼少女」でも、当時の様子が伺える。
微熱狼少女微熱狼少女
(1992/02)
仁川 高丸

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レズビアンを公言している三島先生に恋した藤乃。男の子としか経験のなかった彼女が、どこかで聞きかじり、「タチなの、ネコなの?」と三島先生に尋ねる。三島先生は、「あ、最近は、もうそういうのはないの。『タッチ交代』」と答えた。
それを聞いて、藤乃はなるほどと思い、初めてのとき、三島先生に愛された後、されたことを反芻して、三島先生を抱く。
私はこの小説が大好きで、何度も読んだ。特に、この初めて結ばれるときの描写が秀逸。sexを通して、ふたりの切ない想いが痛いほど伝わってくる。

90年代前半は、タチ・ネコという言葉や概念が、消滅しかけていたと思う。
前に書いた、Weekendでも、カップルの人はお互いに、「私のパートナー」と紹介し合うだけで、どちらがタチとかネコとか言うことはなかったし、まわりも何も聞かなかった。
面白かったのは、よく似た者どうしのカップルさんが多かったこと。ボーイッシュどうし、フェミニンどうし。中には、双子の姉妹か?と思うほど、よく似たカップルもいた。
タチ・ネコの概念が取っ払われると、こうした似た者どうしのカップルが増えてくるのかな、と思った。

当時、欧米では、もうとっくにタチ(ブッチ)、ネコ(フェム)の役割分担がなくなっていると聞いていたので、その余波で、日本のlesbianシーンも変ったのか、と思った。
その10年前、私がデビューした当時は、日本もまだ厳然たるタチネコの世界だった。
タチ・ネコの役割分担は要らない、とずっと思っていた私なので、こうした変化を喜んだ。

■70年代アメリカ 
ウーマン ラブ ウーマンウーマン ラブ ウーマン
(2006/04/28)
Ellen Degeneres Chloe Sevigny

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「ウーマン ラブ ウーマン」(原題・If These Walls Could Talk 2)。
発売当初、話題になっていたので、見た方も多いと思う。
1961年が舞台のエピソード1と、2000年が舞台のエピソード3、このふたつが印象的だった人が多いようだけど、私は1972年が舞台のエピソード2、これが一番印象に残った。
その2の中に、lesbian barが出てくるが、これを見たとき、あーー、これだ!私が初めて見たビアンの世界は・・・と思った。
アメリカでも、60年代までは、lesbian=Butch/Femme(ブッチ/フェム)の世界だった。そして彼らの唯一の出会いの場が、lesbian barだった。しかしこのバーは、working-classのコミュニティにしか存在せず、しかもButch-Femmeとはっきり色分けされていたため、非常に独特の雰囲気だった。それと同じ雰囲気のところにいきなり飛び込んだ、無謀な大学生が、かつての私だった。

アメリカでは、70年代に入って、フェミニズムの風が吹き始めた。lesbianフェミニストたちは、Butch/Femmeの関係を、「古臭い男女の役割分担を規範とした、ストレート社会の模倣」として、徹底して糾弾した。その結果、それまで主流だったButch/Femmeたちは、アンダーグラウンドへと追いやられる。
エピソード2は、そのフェミニズムの風が吹き始めた頃の話で、その渦に巻き込まれるのが主役のふたり。
フェミニストたちは「男女差別」の撤廃を求めているのに、lesbianフェミニストたちを自分たちの世界から排除しようとし、lesbianフェミニストたちはButchの女性をlesbian社会から排除しようとする。結局、誰もが同じことをしている。そこがこのエピソードの面白いところであり、胸の痛むところでもある。

日本のlesbian社会でも、80年代にフェミニズムの活発な動きがあったと聞いている。
それがどういうものだったのかはよく知らないが、きっとその結果のひとつとして、90年代初頭の雰囲気があったのだろう。

(タチ・ネコ今昔物語(2)に続く。)

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ミント
Kooさん、こちらでははじめまして。
「微熱狼少女」!やはり、Kooさんのツボはわたしもツボのようです。この本大好きで、何度も読みました。
最初に図書館で借り、その後また違う図書館で借り・・・(笑)。その後あやしげな古本屋さんで見つけたときは大喜びでした。
そういえばまだ今のようにネットで古本探しとか考えもしませんでした。そして今では3冊ほど持っています。読む用、貸し出し用、保存用です。
三島先生と藤乃の徐々に変わっていく関係が、たまらなく素敵ですよね。何度読み返しても切なくドキドキします。
ビジュアル的にも堪能できるいい小説ですよね。
この本についてだと、語ってしまいます・・・。
タチネコ今昔物語、とってもおもしろいエントリですね。これからも楽しみにしてます!
2008.03.10 Mon 08:52 URL [ Edit ]
koo
>ミントさん
こちらでは、はじめまして!
微熱狼少女、はまりましたか~~。
すごく切ない恋愛小説ですよね。今手元にないけど(探したけど、見つからないんです)、藤乃が「ここに来て」という場面とか、あの前後が特に好きで、何度も読んじゃいました。
昔はネットがなくて不便だったし、買いにくい本もあったけど、見つけたときの嬉しさは、amazonで見つけたときの比じゃないですね。
タチネコ今昔物語、ブログを作ったときから、いつかきっと書こう、と思ってました。今週、すーっごく忙しくて、3がすぐにはアップできないかもしれないけど、またぜひ見てくださいね!
2008.03.11 Tue 00:04 URL [ Edit ]
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