ビアン通信 タチネコ今昔物語(2)
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2008.03.08 Sat
タチネコを考えるとき、アメリカでの歴史を見ると、非常に興味深い。

■60年代アメリカ
アメリカでも、60年代までは、lesibian=Butch/Femmeの時代だった。外見、振る舞い、sex全て含めて、butchかfemmeに色分けされた。
butchは男っぽい外見、振る舞い、そしてsexでは攻め側。femmeは女らしい外見、振る舞い、sexでは受け側。このbutch-femmeの出会いの場はlesbian barだったわけだけど、(1)でも書いたように、working-classのコミュニティにのみ存在した。middle、upper-classのlesbianたちは、どうしていたんだろう?と思うが、そもそも60年代にはソドミー法があったし(同性間でのsexが法律で禁じられていた)、恐らく「ウーマン ラブ ウーマン」の第1話のように、ひっそりと人知れず、愛を育てていたんだろう。

"Well, what are you--butch or femme?"
新しい人がバーを訪れると、まずそう尋ねられたという。そして、多くの人は、答える代わりに逃げ帰った。そこには性的な意味合いが、多分に含まれていたから。
そこを突破した者だけが、晴れてコミュニティに参加することが出来た。でも実際には、多くの人にとって、どちらかを選択するということは、非常に困難なことだった。中には、やはりどちらにも属せないという人や、相手によって性役割をスウィッチするという人も出てきた。そういう人は「kiki」と呼ばれ(差別用語)、物笑いの種になった。
同時に、「butch-butch」「femme-femme」の関係も、絶対タブーだった。が、時にそうしたカップルが生まれることもあった。

「kiki」、「butch-butch」、「femme-femme」は、このButch/Femmeという整然たるlesbian社会の規範を乱す者、lesbian社会の「Queer」と見なされた。物笑いの種になるだけでなく、村八分になったり、コミュニティから追放されることもあったという。
「kiki」・・・を「レズビアン」に変え、「lesbian社会」を「ストレート社会」に変えると、そっくりそのままbutch/femmeが当時の世間から受けていた扱いと、同じになる。
差別された者は、差別をする。レズビアンに限らず、どこの社会でも繰り返されることだけど、切ない。

■フェミニズム以降(80年代~)
70年代初頭から吹き荒れた、フェミニズムの波で、状況は一転する。それまで主役だったbutch/femmeが、undergroundへと追いやられる。
しかし80年代に入って、復権し始める。再びbutch/femmeを名乗る人たちも出て来た。でも復権と言うより、もう多様性の時代に入っていたから、identityとしてのbutch/femmeを選ぶも良し、選ばないも良し。大多数のlesbianにとっては、「identityとしてのbutch/femme」は必要のないもので、単に外見や振る舞いがボーイッシュな人やフェミニンな人を指して、「butch」「femme」(ブッチっぽいね、など)と言うようになっていった。
でも一部(恐らくごく一部)、identityとしてbutch/femmeを名乗る人たちは現在もいて、彼女たちはネットを通じてコミュニティを作ったり、ゲイプライドに参加したりしている。
こちらに、その写真があるが、やはり年配の人が多いようだ。他にも、なぜこんなにbigな人たち(横に)が多いのか、とか、左から3番目の人がいい味出してる、とか、気になる点はいくつかある。

まあそれはともかく。butch/femmeコミュニティのサイトを見ると、今はもう、これがbutch/femmeだ、というような決まりはないようだ。そして、「butch、femme、stone butch、stone femme、butch-butch、femme-femme...全てwelcome!」となっている。
「stone butch」とは、sexのとき、相手に絶対触らせない、相手を喜ばせることが喜び、という人たちで、Leslie Feinbergの著書「Stone Butch Blues」(ストーン・ブッチ・ブルース、93年)で広く知れ渡った。

  butch

この本は、数年前にU.S.amazonで、お薦めに入っていて、知った。表紙の写真は作者のFeinbergだけど、最初、男性なのになんでブッチなのかなあ?と思ってしまったほど、男らしい。この表紙の印象で、Feinbergの自伝と思われがちだけど、フィクション。そして、Feinberg自身はトランスジェンダーの活動家。
そのためか、stone butch=transgenderと思われる向きもあるが、そうではない。
女性だが非常に男性的で、「男?女?」と聞かれ続けた主人公は、最初、性を変えるためにホルモン注射を打つ。が、どうしても性を変えることへの違和感が取れず、それはホルモン注射をやめるまで続く。

「stone femme」は、「死んでも触りません!」という人たちなのかと思った。もしも、stone femmeどうしが恋に落ちたら、どうなるんだろう??と心配したが(するな)、単にstone butchと付き合う人のことをstone femmeと呼ぶようだ。
stone以外のbutch/femmeには、これといった決まりもない。ならば、単純に「lesbian」でいいんじゃないかなあと思うけど、その人がそれをidentityとすることでその人らしくいられるなら、それでいいのだろう。

(タチ・ネコ今昔物語(3)に続く。)

今回の主なソースはこちら

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実は、女子高時代の私のあだなでした。
たぶん、命名した彼女はビアンではなかったのでしたが。
でも、卒業後もいまだ無邪気に「ブッチ」と呼ばれてしまうことには戸惑いも感じています。
その当時、好きだった彼女とは微妙なタイムラグの結果、互いの気持ちは知りつつも結ばれることはなく友人関係が続いております。
あだながブッチだったくせにその意味も知らずにのんきに過ごしたツケなのだと今は爪を噛むばかり。
kooさんのエントリーを拝読していると、やるせない気分になります。これは、同世代だからなのでしょうか。
2008.03.08 Sat 21:19 URL [ Edit ]
ruka
koo chanv-249 こんばんはv-237
butchv-82femmeの世界、私もついていけない・・・。写真見ました。赤いシャツの人、もし全然知らなければgayのおじさんに見える。Leslie Feinbergも、どうみても男性だね。
ところでこのサイト、まじ・・・いいね!
大学の授業みたいでいい!
2008.03.08 Sat 22:06 URL [ Edit ]
koo
>雅
「ブッチ!雅」て今度会ったら、呼んでしまいそうだ・・・v-14
いや雅は全然ブッチじゃないけどね。
やるせない気分になりましたか。
私も60年代のアメリカの話を読んでたら、若い頃を沢山思い出しました。
日本とアメリカ、lesbian事情は10~20年、タイムラグがあるものね。
雅とは同年代って言うより同級生だよね。へ~そんな時代もあったんだ・・じゃなくて、リアルに「そうそう」だから、やるせなくなるんだろうなあ。

>rukaさん
rukaさんの絵文字って、そんなのあったんだー!っていう、ユニークなものばかり。
赤いシャツの人、ほんとにおじ(い)さん!でもよく見ると、かなりおしゃれしてる。
大学の授業みたいですか?なんだか調べ出したら、おおーっと思うことばかりで、止まらなくなっちゃって(笑)
今は女性学とかセクシュアリティとか、いろいろ大学で学べて、羨ましいな~って思います。
2008.03.10 Mon 23:37 URL [ Edit ]
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