ビアン通信 エデンより彼方に(Far From Heaven)
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2008.10.26 Sun
エデンより彼方にエデンより彼方に
(2005/07/16)
ジュリアン・ムーア

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「めぐりあう時間たち」でジュリアン・ムーアにはまって、同じ頃に彼女が主演した、「エデンより彼方に」を見た。
こちらも50年代の話で、同じく良家の主婦を演じていたが、立場が逆になっていた。
「めぐりあう・・」では、同性への想いを胸に秘めた妻・ローラを演じていたが、「エデン・・」では、同性への想いを消せずに苦悩するのは夫の方だった。ムーアも良かったが、この夫を演じたデニス・クエイドが、とても良かった。
(以下、ネタバレ)

  farfrom2.jpg
     左・デニス・クエイド(フランク)、右・ジュリアン・ムーア(キャシー)

大会社の重役で、地元の名士。大邸宅に、美しい奥さんとふたりの子供。
人生の成功者・・・なのに、どこか崖っぷち感のある、夫・フランク。
仕事帰りに立ち寄った映画館で、見かけた男二人連れ。なぜか気になり、ふらふらと後を追って行くフランク。気がつくと、そこはゲイバーだった。

  heaven-bar.jpg

余談だが、このゲイバーを見たとき、kinsが出来たばかりの頃(15年前)を思い出した。みんなカウンターにひとりで座り、まっすぐ前を見て、お酒を飲み、煙草を吸い、決して目を合わさず、誰もしゃべらなかった。大きな期待と不安と恐れと緊張が、入り混じっていたんだと思う。

この後フランクは、ひとりの男性と自分の職場に戻り、いざ・・・!というときに、夜食を届けに来た妻・キャシーに、その現場を見られてしまう。
フランクは、
「若い頃、ある問題を抱えていた。もう治ったと思ったのに、最近またそれが出てきた」
とキャシーに告げる。そして、ふたりで精神科医のもとを訪れる。

当時、同性愛=病気であり、絶対タブーでもあった。
精神科医は、
「治療は主にカウンセリングで、ショック療法やホルモン療法もある」
「治る確率は非常に低い」
「治療に関しては、奥さんとよく話し合って・・・」
と言うが、フランクは
「その必要はない」
「絶対治療は受ける」
「こんなことで自分や家族の人生を台無しにしてなるものか」
と主張する。

      farfrom.jpg

でも、治療を受ける=自分のセクシュアリティを認める、向き合うということだから、むしろパンドラの箱を開けたようなものではないか。
ある日、家に帰って来たフランクは、子供たちもいる前で、泣き出してしまう。
「他の人を好きになってしまった」
「生まれて初めての想い」
「今、自分がすごく残酷なことを言ってるのはわかっている」
「君や子供たちのために、なんとか忘れようとした。でも」
「I can't...I can't...」
と号泣してしまう。

この後、フランクは、恋人の男性と暮らすため、キャシーと離婚をする。

フランクの告白の場面には、涙を誘われた。
でもその前の、精神科医とのやり取りを見ていたら、いろいろなことを思い出した。
私は、「付き合っていた相手が精神病院に入院させられた」という人を、数人知っている。それも、「レズビアンだから」という理由だけで。
いずれも私と同年代、80年~90年初めの話だ。
ひとりの人は、近所の主婦と恋に落ち、それが相手の夫にばれ、逆上したその夫に強制的に入院させられた(相手)、と言っていた。
「自分が入院させられた」という人には会ったことがないが、それは言えないだけで、きっといるだろう。
この作品では「夫がゲイ」だから、それがばれても、誰かに何かを強いられるということはなかったが、もし妻なら、同じようなことをされていたのだろうか?
調べたら、同性愛を治療の対象から外されたのが、アメリカでは87年、WHOでは93年、日本では95年ということで、そんな最近まで病気の扱いを受けていたのか、と驚く。

この作品の後、「ブロークバック・マウンテン」を見た。こちらは1963年~83年が舞台で、この作品よりも後の時代の話なのに、状況はさらに過酷だった。「エデン・・」がコネチカット、「ブロークバック」はワイオミングと、地域の差もあるだろう。
また機会があれば、「ブロークバック・マウンテン」も紹介したい。

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小月
ほんの10数年前まで、病気と思われていたのも悲しいけれど、
他者によって強制入院させられる事があったなんて
かなりショックです。
きっと沢山の人が辛い思いをしてきたんだろうなぁ・・・
それに比べたら今はすごく恵まれた時代なのかもしれないね
そして、これから先はきっと・・・もっと・・・v-238

この映画、近所のレンタル屋には無かったぁ・・・
やっぱり、TUTAYAのネット会員になるべきかなぁ?i-229
2008.10.26 Sun 13:10 URL [ Edit ]
tibimama
「ラターデイズ[Latter Days]」(2003/米国)
http://www.kansai-qff.org/2006/japan/prog/latterdays.html

は、現代のアメリカが舞台ですが、同性愛治療のために電気ショックが使われるシーンなどがあります。
どこまでリアリティのある作品なのか、わたしにはわかりませんが、ふつうに娯楽作品として楽しめる作品ですので、機会がありましたら、ご一見ください。
2008.10.26 Sun 16:07 URL [ Edit ]
ruka
中学に頃、新卒のきれいな先生に憧れてたの。そしたらある日、両親が担任に呼び出され「お宅のお嬢さんは性的異常!カウンセラー紹介しましょうか?」って言われたの。両親、すごく怒ってた、私にではなく担任に。1970年代の話。30年以上たった今(トシがばれるね!)、その担任の住む町をクルマで通るたび、変になつかしくなる私。
2008.10.26 Sun 20:37 URL [ Edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2008.10.26 Sun 20:41 [ Edit ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2008.10.26 Sun 23:12 [ Edit ]
Coco
「若い頃、ある問題を抱えていた」
その苦しみ悩む気持ち、凄くわかります・・・(ぽつり)
うーん。うーん。
当時、自分が特別異常とは思わなかったけれど
田舎ですし勇気なんてなかったんですね。



2008.10.27 Mon 01:38 URL [ Edit ]
koo
>小月
そうなの、私も最初聞いたとき、ウソでしょ!?と思ったけど、
複数の人に聞いて、ああそんな時代だったんだ・・・
と暗澹たる気持ちになりました。
このDVD、近所のレンタル屋になかった?
各賞をたくさん獲得しているし、メインはゲイの話より
ジュリアン・ムーアと庭師のロマンスなので、
かなりメジャーな作品だと思うんだけど。
頼んだら、入れてくれるんじゃないかな?

>tibimamaさん
その作品、知りませんでした。
電気ショックの場面は、ちょっと見るのに勇気がいりそうだけど、
機会があったら見てみますね。
2008.10.28 Tue 22:00 URL [ Edit ]
koo
>rukaさん
ひどいねー、その先生。
でも割と最近まで、教育現場でも理解がなかったり
無知だったり、ということがあったかもしれないね。
今NHKでも盛んに取り上げているけど(LGBT)、
ぜひそういう教育に関わる人たちに見てもらいたいです。

>ーさん
どうもありがとう!貴重な話を聞かせてくれて。
ほんとにそんなことがあったなんて、若い人は、ほとんど
知らないだろうと思います。想像もつかないだろうし。
もちろんお名前は出さずに、またいつか機会があれば
書かせてもらいます。ほんとにありがとう!

>Cocoさん
若い頃抱えている問題って、誰かひとりでもいいから
話を聞いてくれる人がいて、受け止めてくれる人がいたら、
違ってくるんでしょうね。
この映画の中でも、そのあと、
妻「その問題を、誰かに話したことは・・?」
夫「一度もない」
というやり取りがあるんです。
私は、初めて辞書で「同性愛」って調べたら、「異常性愛」と出ていて、
すごくショックと同時に反発を覚えました。14くらいのときかな?
2008.10.28 Tue 22:13 URL [ Edit ]
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2008.11.02 Sun 19:16 [ Edit ]
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